時計界は直近5年ほどの“ラグスポ(ラグジュアリースポーツウオッチ)”のプレミアム化や高額モデルの盛り上がりを経て、質的進化を追求するフェーズに入ったようだ。時計界最大の祭典「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ ジュネーブ 2025」では、さながら新世代キャリバーと複雑機構の開発競争の様相を呈した。各社が70〜80時間駆動を実現し、±2秒級の高精度を披露。複雑機構の実用化もテーマとなっている中、日常使いを視野に入れた開発が進む永久カレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターといった超複雑機構のニューモデルを“MUST SEE POINT”とともに紹介する。
部品数799個の新キャリバーは、マイクロローターの採用で厚さはわずか12.28mm。クロノグラフ作動時の針飛びを排除するバックラッシュ補正クラッチ歯車と、停止時のスプリット秒針のエネルギー消費をなくすアイソレーター機構が新しい2つの特許技術だ。こうしたエネルギー配分の最適化や効率アップを含め、究極の技術を集結させた。
ミニッツリピーター、ワンプッシュ式スプリットセコンド・クロノ、瞬時日送り式永久カレンダーを統合した自動巻きカドラプル・コンプリケーション。42mmのホワイトゴールドケースに、エレガントなアイスブルーダイアルを合わせる。
8年の研究と13件の特許出願を経て開発された、前代未聞の超複雑キャリバー。永久カレンダーやトゥールビヨン、7つの特許が費やされたウェストミンスター・ミニッツリピーターのほか、常用時、太陽時、恒星時という3つの時表示、世界初を含んだ5つの天文学的な複雑機構を搭載する。これらを36mm径×10.96mmのサイズに収めたことも奇跡的だ。
ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・ソラリア ウルトラ・グランドコンプリケーション-ラ・プルミエール-」 Ref.9600C/000G-231C ユニークピース
革新的な技術と小型化の傑作となる新しい自社「キャリバー3655」を搭載した、同社いわく「これまでにない最も複雑な腕時計」。45mm径×14.99mmのホワイトゴールドケースに、4つのゴング&ハンマーを含む1521の部品が収納される。
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