ゼニス×飛田直哉ダブルネームモデル キャリバー135-O搭載「G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.」
デビュー数年でNYタイムズの紙面に載り、年一回の新作発表を全世界のウォッチマニアが渇望する、超入手困難なインディペンデントブランド「NAOYA HIDA & Co.」。
“日本時計界の重鎮”飛田直哉氏はそんな状況下に異を唱えるように、“本当に美しい腕時計づくり”を徹底。1930~60年代のヴィンテージ腕時計、古き良き懐中時計が持つ美しさを現代へ蘇らせ、目の肥えたウォッチコレクターを唸らせます。
知る人ぞ知る独立系ウォッチメーカーのNAOYA HIDA & Co.が、ゼニス(Zenith)の秘蔵っ子である、キャリバー135搭載「G.F.J.」ダブルネームモデルを手掛けたのですから、正直驚きました。ハイビート自動巻きクロノグラフ 「エル・プリメロ」の開発で、世界的ムーブメントメーカーとして名声を高めたゼニスですが、5振動のロービートムーブメント キャリバー135でも235ものクロノメトリー賞を獲得しており、低振動ジャンルでも目を離せない存在になりそうな気配です。
本モデルは“時計界のいぶし銀”とも呼ばれるゼニスと、海外の時計フリークも認めるNAOYA HIDA & Co.が掛け合わさったウルトラニッチな異色のコラボのため、まずはNAOYA HIDA & Co.というブランドの理解度を深めることが先決でしょう。G.F.J. Double Signed with NAOYA HIDA & Co.モデルの価値を少しでも正確にお伝えするために、ゼニスのコラボ先であるNAOYA HIDA & Co.の特色・独自性を解説してまいります。
卓越した時計職人の手作業と最先端の精密微細加工を駆使し、「誰も見たことのない作品」を生み出すNAOYA HIDA & Co.。機械式時計黄金期の1930~60年代の時計をデザインのモチーフにしつつ、復刻モデルとは一線を画す“現代のヴィンテージウォッチ”には、飛田直哉氏の時計哲学が惜しみなく盛り込まれています。ブランドの特徴を深掘りする前に、ウォッチコンセプター飛田直哉氏のバックグラウンドを簡潔にご紹介致します。
まるで“日本版リシャール・ミル”とでも言うべき異色の経歴を持つ飛田直哉氏ですが、「物作りへの熱い思い」「売れる商品への絶対的嗅覚」などが一貫していますね。
1994年にスイス時計の輸入商社「日本シイベルヘグナー(現DKSHジャパン)」へ転職し、ブレゲの限定ウォッチ企画に携わった際には、“頼めばできる”という手応えと、条件的縛りが原因の“理想の限界”を悟ったそうです。大手ブランドに属する限り、ブランドポリシーやコストの問題が足枷となってしまい、最後には“夢を極限まで追求した時計”を妥協せざるを得ないですからね。その頃には、独立ブランドの立ち上げへ向けて本格的な準備を始めたとのことです。
2012年頃には若き時計師二人と夢を共有し、理想の腕時計作りへ邁進。ヴィンテージウォッチでは有り得ない“夢の時計”を具現化していきます。
ケースとスモールセコンドのバランスを整えるためにムーブメントのパーツを再設計
ケース素材にスーパーステンレススチール904Lを採用
100年後でも修理しやすい構造のETA社製の7750を選ぶ
など量産ブランドの逆を行く超ニッチな時計づくりを探求。試行錯誤を繰り返した末に、初のオリジナルウォッチ「NH TYPE 1B」を2019年3月にリリースするのです。
飛田直哉氏はコストや効率を度外視した“他に出来ないこと”に意味を見出しており、消費者に飽きられないように「少量生産&コレクション拡充」の独自路線を追求。毎週金曜日に開催される工房見学会には、海外の時計通の予約で埋まる盛況ぶりだそうです。
NAOYA HIDA & Co.を率いる飛田直哉氏は、時計に対する「理解と愛情」がある方にのみ売りたいと考えており、NHウォッチをどんな人が所有しているのか、に重きを置いています。転売目的お断り、“超富裕層向け”のハイパーラグジュアリー戦略。「日本一の時計通」と称される飛田氏の卓越した知識、業界でも一目置かれる鑑識眼、があるから同ブランドは飛躍できたのでしょう。
NAOYA HIDA & Co.は現在、総勢7人の少数精鋭体制で、職人の思いが詰まった「本当にニッチな時計」を愛好家へ届けたいと考えているそうです。職人の育成方法も独特で、技術よりも人間としての情熱を持っているかを重視しており、お眼鏡に適う人材は、夜間の時計学校に通わせる(※学費も負担)、その間の給与も支給する、など至れり尽くせりの態勢で、本当に情熱のあるメンバーを求めているのも特徴です。
加工が困難と言われる904Lステンレススチールを、最先端の超高精度微細加工機を用い、“アートの領域”へと仕上げるのはパートナーである「碌々産業」によるもの。生粋の時計マニアの方は、碌々産業主催の時計師トークセッション(浅岡肇×飛田直哉)をご覧になると、学び多き時間が過ごせますよ!